レインワードトビガエル
カエル前回に引き続き、今回も飼育難易度の難しいカエルの紹介です。
レインワードトビガエル Rhacophorus reinwardtii
別名「ジャワトビガエル」や「パラシュートフロッグ」とも呼ばれるカエル。手足の水かきを膜状に広げて滑空することができるカエルとしても知られ、大体「世界のカエル図鑑」で一般的に「トビガエル」と紹介されているのは本種です。
当ブログでは既に何度か登場しているカエルで、私はこのトビガエルが入荷する度に飼育に挑戦し続けてきました(過去記事にはヒスイトビガエルやアンナントビガエルといったトビガエルの仲間も登場しています)。もっとも、このトビガエル滅多に入荷しないのですが…(;^_^A
トビガエルの原産は中国南部からボルネオなど東南アジア全域に広く分布しており、更にインドネシアでは養殖もされている?(現地由来のCBがいるらしい)のですがいまいち流通はありません。方や同じく東南アジア原産で前回紹介したミツヅノコノハガエルは乱獲の如く入ってくるというのに…
という訳で今回、実に2年ぶりになるトビガエルの入荷があったので、早速入荷したお店を梯子しながら5匹のトビガエルを入手しました!
念願ともあってこういうのは思い切りが早いです。2年前はメスの入荷もあったが、今回のはおそらく全てオスっぽい感じ。
トビガエルはオスとメスで見た目が全然違うので雌雄判別は簡単です!
オスは水かきの色が鮮やかで、更に緑色の体にもスポットが入りとっても綺麗。一説ではこの鮮やかな水かきの模様はメスにアピールする為のものだとか?
大きさは4㎝くらいと程よいサイズで植物をレイアウトしたケージで飼育もでき、魅力溢れるカエルなのですが…
オスメスの違いを見比べる為に、2年前の入荷から長期飼育しているメスの方も紹介しておきます。
オスに比べると水かきに派手な青い色は無く、身体も緑1色。大きさは8㎝程とオスの倍はあり、体格もがっしりしています。こうなるとメスは「ただの大きいアオガエル」にしか見えません。
あまりにも違いすぎるので別種のクロマクトビガエル(「ワラストビガエル」なんて呼ばれることもある)と混同されていた事もありました。
大きく発達した水かきはやはり「トビガエル」。飼育下でその滑空を見ることはできませんし、他のツリーフロッグ同様夜行性で普段は壁面などに張り付いたまま動かずあまり飼っていても楽しくないのですが、壁越しにその水かきや吸盤をまじまじと観察できるのはこのカエルの飼育の醍醐味でしょう!
メスは前回紹介したコノハガエルと同じ自作ケージの上部でクシトカゲと同居中。大きくて跳躍力が高いので広いケージが必要となりますが、それさえクリアできればメスは比較的丈夫なカエルといえるでしょう!
…でも、これはあくまでメスだけの話で、オスはそうもいきません!
メスと比べて体も貧弱なオスはとにかく神経質。ちょっとでも環境が変わったり、蒸れたり、不衛生になるとあっという間に体調を崩して、次の日にはコロッと逝く…そんなカエルなのです
今回も5匹お迎えしてそれから約1か月の間に既に2匹は落ちています。過去に飼育したものでも最長で半年くらいしか持たずかなりのくせ者。「オスは元々寿命が短い」などの説もあるかもしれませんが、なんにせよこれまで飼育してきたカエルの中でも上位に食い込む飼育の難しさです。コノハガエルやケガエルの方が断然飼い易く思えてきます。
同じツリーフロッグの中でもアカメアマガエルなんかはタイプが似ていますが、はるかに丈夫で飼い易いです。更に飼い易いツリーフロッグならイエアメガエルなどを飼えば良い訳で、初心者は何も無理してトビガエルに手を出す必要は無いと思います。いや、ホントに…(;^ω^)
最後に、同じアオガエル科繋がりでヤエヤマアオガエルについても一報
ヤエヤマも長らく繁殖し続けてきたカエルでしたが、いよいよオスもメスも高齢化して限界がきており、おそらくこれ以上の繁殖はうちでは難しいと思われます。
しかし、これまでオークションやショップに出してきたCBの子達がよそで見る見るうちに成長しており、沢山の孫達も産まれているようです。ヤフオクにもCBの出品が出るようになり、随分とポピュラーなカエルになったのでは無いでしょうか?当時はこんなマイナーなカエルを繁殖していたのは私1人くらいでしたからね(笑)
私の役目は十分果たしたので、後は次の世代へと託していきます。1繁殖者としてヤエヤマアオガエルの繁殖から世代交代まで進めた事は誇りです。このノウハウを活かして更なる多種のカエルの繁殖に力を入れていきたいです。
で、話は戻るのですが、同じアオガエル科でこれだけ繁殖成果をあげているからこそ、トビガエルには強い思い入れがあるのかもしれません。オスをなんとか長期飼育出来れば繁殖も視野に入れたいし、CBでベビーから育てればもう少しポピュラーなカエルになるかもしれませんし、難しいとわかっていてもやっぱり挑戦したくなるのがトビガエルという存在なのです。
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